2017年6月8日宮城県ツアー開催レポート

6月8日、宮城県で全国ツアーが開催されました。広い県庁講堂は、開始直後にはほぼ満員になったそうです。行政、社協、生協関係者のほか、保育園の関係者、高齢者福祉にもかかわる地域福祉コーディネーターら、また、一般のこども食堂に関心がある・活動してみたい方たち総勢340名の方が参加され大盛況だったようです。

宮城県では、平成28年3月に「宮城県子どもの貧困対策計画」が策定され、宮城県の子どもたちが、生まれ育った環境によって左右されず、また東日本大震災の被災によってその将来をあきらめることなく、夢と希望を持って成長していくことができる地域社会の実現を目指しています。

開会の挨拶をされた村井嘉浩県知事からは、こども食堂の取り組みが県内全域に開設されるように県としても支援し「本日のこのフォーラムをきっかけに,「こども食堂」が特別な取組みではなく、「地域住民の誰もが理解し関わっていける取組み」として、さらに広がっていただければ幸いです」というお話しがありました。

「広がる!みやぎのこども食堂を知ろう」と題されたパネルディスカッションにご登壇された方々の声を一部ご紹介いたします。

「ていざんこども食堂」の門馬優さん(特定NPO法人TEDIC代表理事)は、「あの震災が来て救われた、と思っている子どもがいることを知り、その存在に気づけなかったことがショックだった。子どもが困ったときに頼れる場所・大人がいる街にしたい」と活動当初の思いを語っています。また、活動を通して、子どものことを思っている「おっちゃん、おばちゃん」が地域にはたくさんおり、自分たちが住んでいる地域が大好きで、子どもたちを大切に思っていることに感動したそうです。「こうした活動は、地域の力を信じることから始まるんだと思う。地域へのリスペクトから始まる。また、そうして地域で育った子どもたちはまた、地域のことを好きな大人に育つんだろう」とお話ししてくださいました。

「多賀城こども食堂」の大橋雄介さん(特定NPO法人アスイク代表理事)は、学習支援から活動を始めたそうですが「外から見えにくい問題を早期発見するために子どもたちを見守るという目的は、学習支援もこども食堂も同じ」だとお話ししています。子どもが求めていることは何か?という視点から「こども食堂は食事の提供だけど、夜寂しい、誰かとかかわりたい、そうした子どもの思いに寄り添うことが大事。どうやって子どもたちと関係を作っていくか。食事の次にあるものをみなさんと考えていければと思っている。」と、こども食堂活動の次のステップについてお話ししてくださいました。

「もともと「こども食堂を始める人を支援したい」という思いからスタートしたので、2016年8月にこども食堂作り方講座を開いたのを始め、勉強会を3回開催。今回の全国ツアーイベント開催にも力を入れた」とお話しくださったのは「せんだいこども食堂コーディネーター」の青木ふく子さん。昔は親戚の子どもが集まるだけで、たくさんの子どもが集まりわいわいとなったものだが「こども食堂は、そうしたわいわいする場になるのが良いのでは。そういう温かい場を作って、そうした場が大事なことを子どもたちに伝えていければ良いと思う」とお話してくださいました。青木さんは、ご自身のお住まいの地域での子ども食堂を立ち上げることにしたそうです。

今回の実行委員会の代表であり「せんだいこども食堂」代表でもある門間尚子さんからは、「小さなつがなりから子どもたちを支えることができる」と力強い閉会の挨拶があり、盛会のうちに幕が閉じられたそうです。

ご紹介しきれないことがまだまだありますが…。こども食堂活動を入り口に、子どもを取り巻く現実や思いに出会い、寄り添い、頼れる大人がいる地域づくり、それを通して未来に何を伝えていくのか…。そのようなことに思いを馳せつつ、まだまだ広がれ、こども食堂の輪~!