滋賀でのツアーは、「アメニティフォーラム21」(障害者の地域生活を推進する全国的なネットワークを作ることを目的に、毎年2月に大津市で行われる集会で、今年で21回目を迎えます。)の特別プログラムとして、糸賀一雄記念財団主催、滋賀の縁実践創造センター・県社会福祉協議会等の共催で開かれました。
「この子らを世の光にー子ども食堂全国交流会inしがー」と名づけられた今回のイベントには、登壇者含め約500人が全国から大集結。
滋賀のこども食堂に関わる動きで注目されるのは、「遊べる・学べる・淡海(おうみ)子ども食堂」として、「共生の場づくり」が広がっていることです。
県内の民間福祉関係者が分野を超えて集まり共生社会を推進する「滋賀の縁実践創造センター」が、住民の取り組みを支援しています。モデル事業となっているこども食堂は、現在52か所。
将来は小学校区に1つ、共生の場をつくることを目標にしているそうです。
ツアーの事務局をつとめた滋賀の縁実践創造センターの谷口さまからは、
ー私どもの全国交流会は、タイトルのとおり、「この子らを世の光に」からこども食堂の意味や価値、めざすものを共有する場でした。
地域の人びとが、生きづらさを抱える人びとの問題、子どもが抱える問題、子どもが直面する問題に気づいていく、課題に気づいた人びとが活動をはじめ、地域が支え合う社会になる、共に生きる社会になっていくという大きな可能性を感じた大会でした。ー
との感想をいただきました。
わたしたち実行委員会も、滋賀の地からこども食堂の応援団が増え・つながっていくことを願っています。
*「滋賀からのメッセージ」もあわせてご覧ください。
滋賀からのメッセージ
この子らを世の光に
これは、今から50 年前、糸賀一雄が、共に生きる地域をつくっていく実践の思想として私たちにつないでくださったことばです。
私たちの目の前にいる子どもたち。ひとりのもれもなく彼らはかけがえのない存在であり、その笑顔は無縁社会といわれる世の中にやさしい光を注いでくれます。
子ども食堂に集まってくる子どもが発するやさしい光が、さまざまな人たちをつないでくれる。そんな思いからこのことばを滋賀県で初めて開催する全国交流会のテーマとしました。
滋賀県では、平成26 年9 月、糸賀一雄の活動のことばである「自覚者が責任者」との思いに共感する民間福祉関係者によって滋賀の縁創造実践センターが設立されました。
「だれもがおめでとうと誕生を祝福され、ありがとうと看取られる地域」をめざし、制度の対象になる、ならないではなく、生きづらさを抱えながら支援が届いていない人に福祉の関係者同士がよりそい地域のなかでその人を支えていこうと、居場所をつくり、支援を届ける活動をはじめて3 年目となりました。それぞれの地域で課題に気づいた人びとが縁でつながり、共生社会へのうねりが起こりはじめています。
「遊べる学べる淡海子ども食堂」の活動は、滋賀の縁創造実践センターのリーディング事業として推進しているもので、今、滋賀県内には50 か所を超える子ども食堂があります。学区内で実行委員会を組織されたり、ボランティアグループや福祉施設が中心になって開設されるなど、地域のなかで手作りの運営をされています。
台所の音、ごはんのにおい、よそゆきでなく温かさに満ちたことばがけ
ごはんをつくってくれる人、いっしょに食卓を囲む人、あそびを教えてくれる人
子ども食堂には、子どもたちへのあたたかいまなざしと可能性を育む支援が豊かにあります。そしてここでは働く世代も、高齢者世代も、子ども世代も皆が活動の主役です。
全国津々浦々で、さまざまな家庭状況や背景を抱えた子どもがほんとうにうれしい気持ちになれる居場所が豊かにひろがり、地域の人びとがまさに「地域里親」として子どちたちの笑顔を育んでくださるコミュニティをつくっていきたいと思います。子ども食堂が地域食堂として発展していくよう、気づいた者がともに実践しようではありませんか。